日本共産党国会議員団
◆ 1日目
沖縄各首長と懇談
日本共産党国会議員団の沖縄基地問題調査団(団長・穀田恵二国対委員長)は十日、県庁で牧野浩隆副知事と面談したのを皮切りに宜野湾市、北谷町、嘉手納町、沖縄市を訪れ、各首長から実情を聴き、率直な意見交換を行いました。
穀田氏は意見交換の場で「米軍再編問題で矛盾が集中している沖縄の実情を聴かせてほしい」とあいさつしました。
宜野湾市では嘉数高台で普天間基地を望みながら伊波洋一市長から説明を受け、沖縄国際大のヘリ墜落現場を視察しました。伊波市長は、渡米して米国の上院議員が普天間基地の実情に驚いたという経験もふまえ「市街地のど真ん中に基地がある危険な状況は一刻の猶予も許されない。われわれは基地強化にノーといい続ける」とのべました。
北谷町では返還された基地の跡地利用の模様やキャンプ桑江、同瑞慶覧などを視察。野国昌春町長と懇談しました。
嘉手納町では嘉手納基地を「道の駅かでな」屋上から視察した後、町役場で宮城篤実町長と懇談しました。宮城町長は「この爆音をどうにかしてほしいというのが住民の願いだ」と力説し、嘉手納基地配備と報道されているパトリオットミサイルに対し北谷町、沖縄市とともに反対する姿勢を改めて強調しました。
沖縄市では東門美津子市長とあいさつを交わし、市当局から説明を受けました。
穀田団長以外の調査団メンバーは次の通り。
赤嶺政賢、高橋千鶴子、笠井亮各衆院議員、井上哲士参院国対委員長、仁比聡平、小林みえこ各参院議員
◆ 2日目
沖縄新基地を許さぬたたかいの意義確認
日本共産党国会議員団の沖縄基地問題調査団(団長・穀田恵二国対委員長)は十一日、名護市役所で米海兵隊新基地建設案の交渉にあたった末松文信助役と面談した後、キャンプ・シュワブの新基地建設予定地などを視察して二日間の日程を終えました。調査団は同日、沖縄県庁で記者会見し、穀田団長は「調査を通じて沖縄の基地の深刻な実態を改めて実感した」と調査を総括しました。
穀田氏は、今回の米軍再編問題について自治体首長らとの懇談を通じ「米軍再編で負担軽減にならないとの思いが伝わった。この十年間の新基地建設を許さなかったたたかいの意義が確認できた」と感想をのべました。
また、大浦湾を海上視察した結果として「新基地建設の『代替』などではなく、米国の世界戦略に基づく基地強化にほかならないことを痛感した」とのべ、調査をふまえて全国の新たな基地強化に反対するたたかいを大きくしていきたいと決意を表明しました。
新基地予定地の大浦湾など視察
記者会見に先だってこの日、一行は汀間漁港から船に乗り、具志堅徹元名護市議、ヘリ基地反対協の大西照雄代表委員らの案内で、台風の余波が残る大浦湾海域を視察しました。辺野古海岸では新基地反対の座り込みを続ける住民たちの「命を守る会」のテントを訪れて交流しました。
沖縄平和市民連絡会の平良夏芽共同代表は「辺野古の問題を焦点として世界の運動と結べば、米軍再編を止めることができる」と国会でのたたかいとの連携を要請し、穀田氏は「みなさんのたたかいが日本と世界の世論を大きく動かした。多くの国民との連帯の輪を広げたい」と応じました。
米軍都市型訓練施設の建設に反対する金武町では池原政文・伊芸区長の説明を受け、監視塔から建設地を視察しました。調査団の現地到着の直前、恩納岳斜面で米軍の実弾射撃訓練による山火事が発生し、米軍ヘリが消火のため水を運んで慌ただしく行き来する緊張した場面がありました。
二日間を通じてそれぞれ各市町の党議員が同行しました。(しんぶん「赤旗」より)