笠井・武田両氏が発言
来日中の欧州連合(EU)の欧州議会と日本の国会議員による第38回日EU議員会議が9、10両日、国会内で行われました。安全保障や経済、環境・エネルギーなど各分野で意見交換。日本共産党から笠井亮政策委員長、武田良介参院議員が発言しました。
笠井氏は「日EUの関係強化がいよいよ重要。一致点での共同を進めたい」と表明。経済連携では平等・互恵の関係や国民の理解が必要だとし、日EU経済連携協定(EPA)について、①農業、酪農で安心して再生産できる支援制度のある欧州と、そうでない日本とで公正な競争ができるか②個人情報の適切な保護③協定の国民への影響が日本ではまともに報告されていない―という日本国民の三つの懸念と、反対の声を率直に伝えました。
ハゼカンプ議員(オランダ)は、農業政策に関し「EUの予算総額の4割を占める」と紹介。「競争上、不利になるのではないかという日本の議論は納得できる」とも語りました。
武田氏は、EU側が関心を示した憲法改定について、安倍政権による自衛隊明記の9条改憲に対し、世論調査で反対が過半数にのぼると紹介しました。
笠井氏は、北朝鮮の核ミサイル問題で歴史的な平和の激動が起こるもと、対話と交渉を進めるにあたり、①朝鮮半島の非核化と北東アジア地域の平和体制の構築を一体的、包括的に進める②合意できる措置を話し合って一つひとつ段階的に実施して目標に近づくことが現実的だと強調。「日本がやるべきは9条改憲でなく、9条を生かした平和外交だ」と力説しました。
笠井氏は、気候変動問題で、日本で石炭火力からの脱却を、原発ゼロとともに強く求めていることを紹介。同じ資本主義国でも欧州は政治の役割を発揮し、脱炭素・脱石炭を加速するルールづくりを進めているとして、「人類的課題での協力を大いに、ともに進めたい」と述べました。
【「しんぶん赤旗」2018/5/11付】