AIやIoTなど新技術は“労働時間短縮と人間の自由獲得”に活用を
衆院本会議で3日、生産性向上特別措置法案および産業競争力強化法等改定案が審議入りしました。日本共産党の笠井亮議員が代表質問に立ち、「人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)への対応と称して、異次元の構造改革と規制緩和を推進するものだ」と批判。「新たなIT技術は、大資本のもうけの道具にするのではなく、労働時間の短縮と人間の自由獲得にこそ活用すべきだ」と強調しました。
同法案は、安倍政権の「未来投資戦略」「新しい経済政策パッケージ」をもとにしたもの。笠井氏は、この20年間、株主価値向上を最優先する大企業のリストラ人減らしを後押ししてきた結果、「自動車・電機などの大企業は空前の利益をあげ、内部留保は400兆円を超えた。一方、労働者の実質賃金はマイナスを続け、格差と貧困の拡大をもたらした」と指摘しました。
笠井氏は、企業の実証実験に対し現行法の規制を一時停止、凍結する「日本版サンドボックス」について、「分野の限定がなく、生命・健康の安全措置がなければ、最悪の場合、人命を損なう」と警鐘を鳴らしました。
さらに、ビッグデータ利活用策として行政機関が持つデータを特定事業者へ提供する新たな仕組みについて、プライバシーに対する深刻な懸念がある」と告発。欧州連合(EU)のように個人情報の自己コントロール権保障に踏み出すよう求めました。
世耕弘成経済産業相は、「サンドボックス」について安全確保は当然だといいながら、「分野の限定なく実施する」と答弁しました。
【「しんぶん赤旗」2018/4/4付】