衆院憲法調査特別委員会は二十日、改憲のための国民投票制度について参考人質疑と自由討議を行いました。
作家の吉岡忍氏は、「戦争の深い反省から生まれた日本国憲法は、日本が戦争の惨禍をもたらした国々に安心感と信頼の根拠となっており、憲法の歴史性と現状、可能性をふまえることが前提だ」とのべました。
ジャーナリストの今井一氏は、スイスやフランスの国民投票や、日本の各自治体での住民投票を取材した経験をもとに意見を述べました。
自由討議で日本共産党の笠井亮議員は、ビラ配布弾圧事件など国民の主権行使が侵害されている事実をあげ、「この現状を放置したままで国民投票法の整備が国民主権の具体化だと言っても説得力がない」と指摘。自民党政府の憲法に対する姿勢が反映しているとのべました。
また、小泉首相が福岡地裁、大阪高裁の違憲判決にもかかわらず十七日靖国神社を参拝したことについて、「首相の順法精神が正面から問われている」と批判しました。
国民投票の報道や運動について、民主党の園田康博氏は「メディアの活動は自由であるべきだ」と主張。社民党の辻元清美氏は、「国民やメディアではなく、規制対象は政府である」と発言。自民党の船田元氏は、「データが間違っているのに正確であるような報道をした場合などは限定的な規制が必要」と主張しました。