東京の比例予定候補らとともに
日本共産党の衆院東京比例の笠井亮衆院議員、谷川智行、池田真理子、とくとめ道信の各氏と党東京都委員会は二十七日、安心して出産できる環境・条件の整備や保育・子育て支援の増額について厚生労働省に要請しました。
要請では、都内で救急搬送された妊婦が八つの病院から受け入れを断られ、脳内出血で亡くなった問題で①徹底調査・究明と周産期医療体制の抜本的強化・改善②産科、小児科医氏の要請と確保③妊婦健診の十四回公費負担のための国としての財政措置④出産育児一時金立て替え払いをなくす―などの要望書を提出しました。
笠井議員は「こういうことを繰り返してはならない。妊婦健診十四回の公費負担も国の責任で一刻も早く実現してほしい」と求めました。谷川予定候補は「産科だけでなく小児科も内科も外科も医師不足。起こるべくして起こった事態だ。大学の定員を減らしてきた厚労省の責任は重大。命を守る方向への政策転換を」と要求しました。
厚労省は、妊婦が死亡した問題で、「再び起こらないよう予算や制度などあらゆる面から必要な対応を考えたい」とし、妊婦健診では「必要な回数を受けられるよう公費負担の拡充を含めて考えていきたい」と述べました。
参加者から「文京区で助産師をしているが、夜中に救急や出産があると医師だけでなく助産師、看護師もそちらにとられ、出産後のお母さんや赤ちゃんをみる人がいなくなってしまう」「墨東病院にはただちに国の責任で医師を配置してほしい」「来年一月半ばに出産予定だが江戸川区は健診の無料が五回と聞いてショック。上の子の子育て費用もかかり不景気で給料も上がらないので不安。早急に改善を」などの切実な要望が出されました。
田村智子都副委員長、小竹ひろ子都議、吉田としお衆院東京15区、かわい恭一16区両予定候補、あとう和之、あぜ上三和子両都議予定候補、地域住民らが同席しました。 <以上「しんぶん赤旗」2008年10月28日付より>
保育・子育て支援では、①待機児童の解消へ国の特別な財政措置②国と自治体の責任を後退させる保育所への直接契約・直接補助方式の導入や、国の定める施設・設備、職員配置の最低基準の緩和・廃止をしないこと③高すぎる国の保育料徴収基準見直し中・低所得家庭や、第2子、第3子の保育料軽減などを強く要望しました。(写真・厚労省に要請する(右から)池田、谷川、とくとめの各衆院比例予定候補(東京ブロック)と笠井衆院議員)
●要望書
厚生労働大臣 舛添 要一殿
2008年10月27日
日本共産党東京都委員会
安心して出産ができる環境・条件の整備を求める要望書
さる4日、妊娠中に脳内出血を起こした東京都内の女性が8つの病院に受け入れを断られ、3日後に亡くなるという悲劇が起きました。お産ができる施設の減少、産科、小児科の医師不足が都内でも深刻な大問題となっています。
また、高額な出産費用も家計にとって重い負担となっています。
厚生労働省は、地方自治体に対し、妊婦健診の公費負担について「14回程度おこなわれることが望ましい」と通知していますが、地方自治体の財政事情によって公費負担回数にばらつきがあるのが現状です。東京の市町村では、ほとんどが5回です。
産科・小児科医不足の解消、妊産婦健診の公費負担の拡充、出産費用の軽減など、誰もがどこでも、安心して妊娠、出産、育児ができるようにするために、国の責任ある支援、対策がつよく求められています。
ついては、緊急に以下の事項について要望します。
1)東京都で起こった今回の事態について、国として徹底して調査・究明をすること。
こういう事態を二度と起こさないために周産期医療体制の抜本的強化・改善をはかることなど緊急の措置を講じること。
2)今回の事態の背景には産科医など医師の根本的不足がある。女性医師をふくめ産科、小
児科医師の養成と確保につとめること。また、女性医師が安心して働き続けられるよう条件整備につとめること。
出産可能な医療施設等が十分に確保されるよう国として対策をつよめること。
3)妊婦健診について、どこでも誰もが「14回」の公費負担が受けられるよう、国として財政措置をはかること。
4)出産費用を軽減・無料化するため、国として必要な措置を講ずること。「出産育児一時金」の支給は、一時立替払をしなくてよい仕組みに改善すること。
以 上
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厚生労働大臣 舛添 要一殿
2008年10月27日 日本共産党東京都委員会
現行保育制度を守り、拡充し、保育・子育て支援の予算増額を求める要望書
「保育園に申し込んでも入れない」――子どもが減っているなかでも待機児童が増えつづけています。東京都の発表でも2008年4月の待機児童数は、昨年と比べ878人増加し、都全体で5479人となり、現在の定義となった2002年以降最大となっています。
政府は、「新待機児童ゼロ作戦」を打ち出していますが、同時に検討されているのが、保育の公的責任を後退させる直接入所契約制度の導入や、国が定める保育所の最低基準の引き下げです。これは、これまで日本の保育を支えてきた公的保育制度の後退・解体につながるもので、多くの保育関係者から反対の声があがっています。
政府の規制改革会議などで、制度改変の参考にあげられているのが東京の認証保育所制度ですが、企業参入によりもうけが最優先された結果、職員の虚偽申請や食材費を一日一人数十円に抑えるなど、保育の質を切り下げる例もでています。
もともと職員配置の基準をとってみても、日本は4・5歳児で児童30人に対し、保育士1人ですが、スウェーデンでは5人に1人、イギリスでは8人に1人と、国際的にみてたいへん遅れた状況です。抜本的改善こそ必要です。
国は少子化対策をいいながら保育所運営費の一般財源化や交付金化、補助金削減をすすめています。各国の児童・家族関係社会支出を対GDP比で比較すると、日本はイギリス・フランスの4分の1、スウェーデンの5分の1です。
すべての子どもの成長と発達を保障し、安心して子育てできる保育環境をつくるために、現行保育制度を堅持・拡充し、国際的にも低い水準にある保育・子育て支援予算の大幅増額こそつよく求められています。
ついては、以下の事項について、つよく要望するものです。
1)待機児童の解消は、認可保育所の大幅新設・増設で基本的におこなえるよう、国として特別な財政措置をはかること。
2)児童福祉法24条にもとづく公的保育制度を堅持・拡充すること。国と自治体の責任を後退させる保育所への直接契約・直接補助方式の導入や、国が定める保育所の施設・設備、職員配置の最低基準の緩和・廃止をしないこと。
3)高すぎる国の保育料徴収基準を見直し、中・低所得家庭や、第2子・第3子の保育料の軽減をはかること。
4)税金の使い方を見直し、保育や子育て支援のための予算を抜本的に増額すること。
以 上