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【08.10.08】衆院本会議で2008年度補正予算案に反対討論

「内需主導・家計に軸足をおく経済」へのきりかえを要求

 
笠井議員の反対討論
福田内閣が政権を投げ出し、その結果誕生した麻生政権に対して、ただすべき国政の基本問題は山積しています。にもかかわらず予算委員会をわずか三日間で終わらせ、補正予算案を採決することに強く抗議するものです。
 いま日本社会は、貧困と格差が拡大し、労働者、高齢者、障害者、農民、中小業者など国民のあらゆる層の暮らしと営業が、深刻な不安と危機に見舞われています。
 自公政権がすすめてきた「構造改革」路線のもとで、「働く貧困層」は一千万人を超えました。社会保障費二千二百億円削減を継続する政策によって、必要な医療や介護が受けられない事態が各地で生まれています。原油・原材料、物価などの異常な高騰に多くの国民があえいでいます。国民の苦しみはかつてなく広がり、内需が冷え切っています。
 政府には、こうした事態を招いたことへの反省がまったくありません。
 世界の金融と経済は、きわめて危機的な事態にあります。いま必要なことは、一部の輸出大企業のもうけの応援だけを追求し、国民には痛みだけをおしつける政治を根本からただし、内需主導・家計に軸足をおく経済にきりかえることです。
 本補正予算案は、あくまで従来の経済政策にしがみつき、多少の取り繕いをするものにすぎず、賛成できません。
 いま緊急に求められている対策は、第一に、後期高齢者医療制度をただちに廃止し、社会保障の充実をはかることです。七十五歳以上に年齢を重ねただけで別枠の制度に囲い込むなどという差別医療制度は、世界のどこにもありません。国民の怒りは制度の根本にむけられているのです。制度の説明や小手先の手直しで納得がえられるものではありません。
 第二に、労働者派遣法を一九九九年の原則自由化前に戻し、雇用の安定をはかる対策をとることです。あいつぐ労働法制の規制緩和によって、多くの労働者が安定した雇用を奪われ、若者は生きる希望を奪われています。偽装請負を告発した労働者が職を奪われるという、理不尽きわまる事態もおこっています。麻生総理は「事実であればきわめて不当」と答弁した以上、ただちに是正すべきです。根本にある労働者派遣法の抜本改正はいよいよ急務です。
 原油・原材料、物価などの異常な高騰に対して、投機マネーの規制にふみだすべきです。直撃を受けている中小業者などの経営をまもる緊急対策が必要です。食の安全を確保し、「安全な食料は日本の大地から」の立場から、農業・漁業の再生にとりくむことを強く求めます。
 道路特定財源の地方「減収」分についていえば、そもそも本年度の総予算審議の際、政府・与党が、「暫定税率の廃止」と「道路特定財源の一般財源化」を求める広範な世論を踏みにじったことによるものです。しかも、政府はその後、五月に「一般財源化」を閣議決定しております。地方に補てんするとしても、使途を限定しない一般財源として交付すべきであり、道路特定財源に固執することは認められません。
(2008年10月9日/しんぶん赤旗より)

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