今後も意見交換を続けていくことを確認
【ブリュッセル=岡崎衆史】日本共産党の温暖化防止政策調査団(団長・笠井亮衆院議員)は十九日、最後の訪問地であるベルギーの首都ブリュッセルで、欧州連合(EU)の執行機関に当たる欧州委員会の環境総局を訪れ、イボン・スリンゲンベルグ課長らとEUの気候変動政策について懇談しました。双方は、先進国が温室効果ガス削減の中期、長期の明確な削減目標を掲げ、それを達成することが、途上国も含む国際的枠組みをつくり、温暖化防止を実現するために極めて重要との見解を表明。今後も意見交換を続けることを確認しました。
同課長は、EUが二〇五〇年までに世界の温室効果ガスを一九九〇年比で50%以上、先進国で60―80%の削減を目指し、それを実現するための中期目標として、二〇年までに九〇年比20%(他の先進国が同様の政策を採る場合は30%)の温室効果ガス削減の絶対目標を掲げていると説明。京都議定書の削減第一約束期間が切れる二〇一三年以降に、「(現在削減義務を負わない)途上国が加わる温暖化防止体制を築くためにも、先進国が責任を果たさなければならない」と述べました。
同総局のサイモン・マール氏は、とりわけ日本が、(1)拘束力ある排出削減の枠組み導入(2)温室効果ガスの25―40%削減を目指す中期目標の設定(3)排出権取引市場への参加―を進め、温暖化防止で指導性を発揮することに期待を表明しました。
笠井氏は、「欧州がもつ中期の削減目標、政府と産業界の協定、明確な排出削減目標をもった排出権取引などの取り組みを持ち帰り、帰国後、政策提言をしたい」と発言しました。これに対しスリンゲンベルグ氏は「ぜひ提言を知らせてほしい。今回の懇談を機に今後もコンタクトをとっていきたい」と語りました。
EU側は、調査団が事前に出した質問に対し、十九ページにわたる詳細な回答をよせ、懇談はこれに基づいて双方が意見交換する形で行われました。
(2008年3月21日/しんぶん赤旗より/2008年】