障害者「自立支援」法案を審議した28日の衆院厚生労働委員会で、日本共産党の笠井亮議員は、“重度障害者へのサービスは配慮するが、それ以外は削減する”とした厚労省の内部資料を紹介し、「全体として障害者施策の現行水準を切り下げるものだ」と追及しました。
内部資料は、「自立支援」法案による障害者施策の新事業体系の「達成すべき課題」として、「(知的入所更生、大規模入所、授産など)高コストで長期間の漫然とした実態を適正化」「規制緩和等を通じ利用者増を図る一方、一人当たり給付水準は抑制」するとしています。
笠井議員は「こういう考え方で見直そうとしているのではないか」とただしました。
中村秀一社会・援護局長は「そのような資料は見たことがない」と答弁。尾辻秀久厚労相は「検討していない」と表明。また「サービス水準を下げることはないのか」という質問には「個々のサービスについてみると対象者やサービスの機能が現行と異なることから、サービスごとの人員配置や報酬の水準を現行の水準と単純に比較するのは難しい」とのべつつ、「サービス水準は維持する」と答えました。
また、医療でサービス費用が高額になる「重度かつ継続」的な利用者にたいし特別減免をもうけます。育成・更生医療における「重度かつ継続」の範囲について笠井議員は「腎臓機能障害、小腸機能障害、免疫機能障害に限定しないことでいいか」「心臓病は数年で何回も手術を繰り返し、高額な医療費が継続的にかかる。『重度かつ継続』の範囲に入れるべきだ」とただしました。
尾辻厚労相は「引き続き急いで検討を進めていく」と答弁しました。
(05年10月29日「しんぶん赤旗」より)