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【05.12.28】厳冬 ホームレス守って

小池・笠井議員 厚労省に申し入れ

厚生労働省の担当者と会い大臣あての要請をする小池、笠井両議員
                   記事は2005年12月29日(木)「しんぶん赤旗」より

 日本共産党の小池晃参議院議員、笠井亮衆議院議員は二十八日、川崎二郎厚生労働相に対して、「厳冬期にホームレスの生命と健康を守る緊急申し入れ」を行いました。

 申し入れは、(1)食糧および宿泊所の確保、保健・衛生の向上(2)生活保護行政の拡充と国の財政保障(3)自立した生活をめざすためにも当面の安定した就労の保障―の三項目で、国として緊急対策を講じるよう求めました。
 申し入れでは「例年にない厳しい寒さの到来で、ホームレスの方々の生命や健康が危ぐされる。食糧や緊急避難対策をはじめ、『健診車』を活用した街頭での健診・相談活動などへ国として十分な財政支援を直ちに行うべきだ」と求めました。
 生活保護については、全国どこでも必要な人に適用するとともに、地方自治体の歳出に占める生活保護費が例えば東京・台東区など20%に達するところも生まれており、国が財政的に特別の配慮をするよう要求。就労対策でも「緊急地域特別交付金」が廃止されたため、大阪ではホームレスを対象とした「高齢者特別清掃事業」の規模が八億円から五億七千万円に減額、一日の紹介数も二百五十人から二百五人へと大きく減少しているとして、国として雇用創出のための財政的措置を講じるべきだと要求しました。
 厚生労働省の担当者は、「申し入れの内容を伝えたい」と答えました。

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以下は申し入れの全文です。

川崎二郎 厚生労働大臣

厳冬期にホームレスの生命と健康を守る緊急申し入れ

2005年12月28日 日本共産党国会議員団

 例年にない厳冬を迎え、完全失業者も292万人(11月)と未だ高い水準が続いている。安定した仕事に就くことが困難なまま、ホームレスを余儀なくされる人は後を絶たない。しかもこれまでのような就労先のない高年齢者に加え、女性や若年世代にまで広がりをみせており、ホームレス自立支援法の制定後もその深刻さは深まっている。
 こうした人たちが、更なる厳冬の時期を迎え、野宿生活という過酷な環境下での体調悪化や体力低下から凍死・病死者が出る可能性も指摘され、人道上一刻も放置できない。日本国憲法の基本的人権を保障するために、政府が責任を持って具体的な解決策を緊急に実施することが求められている。
 以下、国としてホームレスの具体的支援策を直ちに行うよう申し入れる。

一、食糧及び宿泊所の確保、保健・衛生の向上を

 国として、当面必要な食糧、緊急避難・宿泊所の確保に責任を負うこと。ホームレスの健康を守ることは何よりも重要であり、NPOや地方自治体、公的医療機関が連携して、直接地域を訪問し、健康相談や診断・治療に責任を持つことが求められている。地方自治体では、衛生状態改善のための「シャワー提供事業」が取り組まれており、ボランティアと公的医療機関の連携で、街頭での健診・相談活動に「健診車」を活用するなどの積極的な事業も検討されている。国は、これらへの財政支援を行うべきである。 

一、生活保護行政の拡充と国の財政保障を

 居住地がないことや働く能力があることを理由に保護要件から排除せずに、全国どこでも、必要な人に生活保護を適用するように改めて指導すること。東京、大阪、福岡などのホームレスが集中する自治体によっては、歳出に占める生活保護費が17~20%に達しているところがある。ホームレスの解消を図ることは国の責任であり、生活保護の適用・給付に必要な諸費用について、国の責任で財政的に特別の配慮を行うべきである。

一、自立した生活をめざすためにも当面の安定した就労の保障を

 大阪では「緊急地域雇用創出特別交付金」の廃止後、高齢者特別清掃事業の規模が金額で2億2千万円、一日当たりの紹介者数も45名減少している。国はホームレス就労支援策として「就労促進事業」を実施するとしているが、内容はこれまでの公的雇用創出ではなく、「就労」自身を確保するものになっていない。今ホームレスとなっている人たちが自立した生活をめざす上でも、緊急に求められているのは当面の安定した就労の保障であり、そのために国として雇用創出のための財政的措置を講じることである。
 また、雇用保険日雇被保険者手帳の発行数はバブル崩壊後激減しているが、窓口では『印紙を一定枚数貼付しないと交付しない』等の対応があるとの相談も寄せられている。同制度は、貴重な日雇い労働者のセーフティネットとして機能しており、ホームレスの予防的観点からも、各地方労働局及び管轄する公共職業安定所に対して制度の主旨を徹底し、日々雇用される労働者にもれなく交付されるよう指導を徹底されたい。

以 上

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