共闘の政策的発展示す
昨年10月の総選挙後、今年の通常国会の閉幕(7月22日)まで、日本共産党が加わって野党で衆院に共同提出した法案が20本に上っています。「原発ゼロ」から福祉施策の拡充まで多岐にわたる分野が市民と野党の共闘の政策的発展を示しています。
昨年総選挙後~通常国会閉幕
昨年の特別国会(11月~12月)では、森友・加計問題などで浮上した公文書管理の「抜け穴」をふさぐ公文書管理法改正案を皮切りに、カジノ解禁推進法廃止法案と共謀罪廃止法案の3法案を提出しました。
今年の通常国会ではさらに17本の法案を提出。なかでも、全原発の速やかな停止・廃炉を掲げた「原発ゼロ基本法案」を、市民団体とも話し合いながら、共産、立憲民主、自由、社民の4党で提出できたことは画期的な意義をもちます。同法案には、2030年までに電力供給量に占める再生可能エネルギーの割合を4割以上にする目標なども盛り込んでいます。6月には衆院経済産業委員会に付託されました。
被災者生活再建支援法改正案は、被災世帯への支援金の最高額を300万円から500万円に増額するものです。支給の範囲にも検討を加えるとして、現行の全壊世帯から半壊世帯への拡充を目指しています。3月に6野党・会派で提出した後にも、大阪北部地震、西日本豪雨など災害が相次いでいます。野党は被災地の切実な願いとして実現を強く求めています。
暮らしの問題でも、生活保護基準の引き下げに歯止めをかける「子どもの生活底上げ法案」を提出しました。同法案が政府提出法案とともに審議された衆院本会議では、日本共産党の高橋千鶴子議員が当事者の実態を突き付け、引き下げはすべきでないと熱弁。提出者の1人として答弁に立った宮本徹議員が野党法案の意義を説明しました。
痛ましい児童虐待事件が相次ぐ中、自治体や関係施設の意見などを踏まえて取りまとめた児童相談所緊急強化法案や、介護や保育の担い手の処遇改善を促す法案も提出しています。
各都道府県に稲・麦・大豆の優良な種子の生産・普及を義務づける主要農作物種子法が4月に廃止されたことを受け、野党側は復活法案を提出。廃止に対する地方の懸念と復活を求める声が広がる中、衆院農林水産委員会で審議されました。答弁に立った共産党の田村貴昭議員は「種子の供給は食料主権の根源だ」と力説しました。
野党は選択的夫婦別氏法案や、7野党・会派共同となった性暴力被害者支援法案も提出しました。これらの法案は、会期末で審議未了・廃案となったカジノ解禁推進法廃止法案と子どもの生活底上げ法案を除き、継続審議となっています。
昨年の総選挙後、日本共産党が加わって野党が共同提出した法案の提出日、名称、提出政党・会派は以下の通りです。
(1)2017年12月5日 公文書管理法改正案 【共・立・希・無・自・社】
(2)2017年12日6日 カジノ解禁推進法廃止法案 【共・立・自・社】
(3)2017年12月6日 共謀罪廃止法案 【共・立・無・自・社】
(4)2018年3月7日 被災者生活再建支援法改正案 【共・立・希・無・自・社】
(5)2018年3月7日 災害弔慰金支給法改正案 【共・立・希・無・自・社】
(6)2018年3月7日 東日本大震災復興特別区域法改正案 【共・立・希・無・自・社】
(7)2018年3月7日 移転促進区域内土地等処分円滑化法案 【共・立・希・無・自・社】
(8)2018年3月9日 原発ゼロ基本法案 【共・立・自・社】
(9)2018年3月29日 子どもの生活底上げ法案(生活保護法等改正案) 【共・立・希・無・自・社】
(10)2018年4月19日 種子法復活法案 【共・立・希・無・自・社】
(11)2018年5月11日 国有林野事業職員労働関係法改正案 【共・立・国・無・自・社】
(12)2018年5月11日 国有林野事業職員給与等特例法案 【共・立・国・無・自・社】
(13)2018年5月17日 牛・豚マルキン法案【共・立・国・無・自・社】
(14)2018年6月11日 性暴力被害者支援法案【共・立・国・無・維・自・社】
(15)2018年6月14日 選択的夫婦別氏法案(民法改正案) 【共・立・国・無・自・社】
(16)2018年6月19日 介護人材確保法案 【共・立・国・無・自・社】
(17)2018年6月19日 保育士等処遇改善法案 【共・立・国・無・自・社】
(18)2018年6月19日 産後ケアセンター設置法案 【共・立・国・無・自・社】
(19)2018年6月26日 児童相談所緊急強化法案(児童福祉法・児童虐待防止法改正案) 【共・立・国・無・自・社】
(20)2018年6月29日 航空保安法案【共・立・国・無・自・社】
※共=日本共産党、立=立憲民主党、希=旧希望の党、無=無所属の会、自=自由党、社=社民党、国=国民民主党、維=日本維新の会
【「しんぶん赤旗」2018年8月1日付】