“100%未満に工夫を”
防衛庁が、内部調査の結果、工事などの落札率(予定価格に対する落札額の割合)100%の件数が多いことに衝撃を受け、それを減らすよう〃偽装〃奨励ともいえる指示をしていた。―防衛施設庁の談合事件にかかわって、日本共産党の笠井亮議員は14日の衆院予算委員会で、この事実を突き付け、防衛庁の責任を追及しました。
衆院予算委で笠井議員が質問
笠井氏が示したのは、「落札率1の案件に関する対応について」(2004年7月23日付)という防衛庁文書です。(資料(1)(pdf))
同文書は、2002年度の防衛施設庁を含む防衛庁全体の調達を調査した結果、落札率100%の件数が2006件に達していることをあげ、「落札率1(100%)の案件については、…(国民から)何らかの調達不正があるのではないか、などの疑念を想起させる」と指摘。「工夫を行い、予定価格を(業者に)容易に類推されないよう努める」などを求めた管理局長通知(同年5月6日付)で「注意喚起」を行ったことを紹介しています。
笠井氏は「(通知の内容は)要するに、うまくやって落札率が1にならないようにしなさいというものだ」と指摘しました。つまり、談合関係者による“偽装”を奨励した結果になったのです。
通知後、実際に防衛施設庁関連の落札率100%の件数が2004年度がゼロまで激減(資料(2)(pdf))しています。「この時期に安心してまた談合したのが今回の事件」(笠井氏)なのです。
笠井氏は、「『官製談合』関係者が、談合がバレないように落札率まで『偽装工作』した。防衛庁はそれをつかめなかったということだ」と指摘。「防衛施設庁解体」で決着させようとしている防衛庁の姿勢を批判しました。
額賀福志郎防衛庁長官は、笠井氏が示した防衛庁文書について「不十分だったことは認めざるをえない」と答弁しました。(しんぶん「赤旗」より)
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