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【17.05.10】日・インド原子力協定、協力停止の規定なし

衆院外務委員会で笠井氏が追及

 
日本共産党の笠井亮議員は10日の衆院外務委員会で、インドへの原発輸出を可能にする日・インド原子力協定について、核保有国インドが核実験を行った際に日本政府が協力を停止する条文上の規定がない点などを追及しました。

笠井氏は、日本政府が過去にベトナムやヨルダンと結んだ原子力協定では、核実験が実施された際に協力を停止する規定が明記されている事実を確認し、同様の規定がインドとの協定で盛り込まれなかった理由をただしました。

岸田文雄外相は「協議の結果こういった条文になった」と繰り返し答弁。“インドが核実験を行った際、日本が協力を停止する権利を持つ”とした協定第14条を示し、他国との協定に比べ「権利という意味ではこちらの方が強い」と弁明しました。

笠井氏は、同14条2項にある、締約国の安全保障上の懸念について「考慮を払う」などとした4項目にわたる条文を指摘。パキスタンとの関係が悪化してインドが核実験を行うなどした場合、日本政府が協力停止の権利を行使できない可能性があると追及しました。

岸田外相は、協定は「個別具体的な事例をあらかじめ想定したものではない」と答弁。笠井氏は、協定が発効すれば具体的な事例が起こり対応を迫られることになるとして、唯一の戦争被爆国政府にあるまじき態度を批判しました。

日・インド原子力協定で参考人質疑

 
衆院外務委員会は4月28日、インドへの原発輸出を可能にする日・インド原子力協定についての参考人質疑を行いました。参考人からは「慎重審議を」「批准反対」などの発言が相次ぎました。

日本共産党の笠井亮議員は、協定にはインドの核実験への歯止めがないとして、軍事転用される危険性についてただしました。

岐阜女子大の福永正明・南アジア研究センター客員教授は「インドとパキスタンとの関係は非常に悪化している」として、核開発競争激化への懸念を表明し、「(両国が)緊張した状態にあるなかで、あえて協定を結ぶことは疑問だ」と指摘。インドでも原発建設に非常に強い住民の反対運動があるとして、「インドの人々の『原発を売るな』『事故を輸出するな』という声に耳を傾けてほしい」と述べました。

さらに、笠井氏は協定は世界の核軍縮・核兵器廃絶の流れに逆らうものではないかと質問。長崎大の鈴木達治郎・核兵器廃絶研究センター長・教授は「指摘の通りだ」と発言。核兵器禁止条約の国連会議に参加しなかった日本政府に対しても、「核兵器国と非核兵器国の橋渡しをするとの政策をとっているのに、参加しないことで、その(橋渡しの)役割も放棄してしまうことになる」と批判しました。

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