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【13.06.12】普天間移設=辺野古埋立て:工期を優先アセス逃れ

埋立てに県外土砂調達し生態系破壊 笠井議員が追及

 防衛省沖縄防衛局が埋め立て土砂による沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設に向けて、追加の環境影響評価(アセスメント)を回避するための“抜け道”を計画していることが分かりました。3月に防衛局が同県に申請した埋め立てに関わるもので、12日の衆院外務委員会で日本共産党の笠井亮議員が防衛省内部文書を示して追及し、同省が認めました。
時間のかかるアセス手続きを除外し、日米間で合意した工期どおりに基地建設を進める意図です。
 防衛局は埋め立てに2100万立方メートル(東京ドーム17個相当)の土砂が必要としており、1700万立方メートルを県内だけでなく九州・瀬戸内周辺からも購入する方針。県外からの土砂調達で有害物質や外来種が混入するおそれがあり、環境に大きな影響を与えるとして、批判の声があがっていました。

購入資材ならばアセス対象外
 笠井氏は、防衛省が外部委託で発注した2事業の報告書(2009年発注、10年提出)を入手。「調達検討業務報告書」では、防衛局自らが土砂を採取する場合は環境影響評価法にもとづくアセスの対象となるものの、購入による調達は対象外としています。このため「購入」にすればアセスを回避できるとして、購入が「原則」だとしています。笠井氏の追及に対し、伊藤盛夫経理装備局長は「環境影響評価の法体系に配慮した」と述べ、抜け道を事実上認めました。

海外資材活用を否定せず
 笠井氏はもう一つの「調達調査業務報告書」で、土砂量があまりに膨大なため、ピーク時に約90万立方メートルの土砂不足が報告されていることを指摘。伊藤局長は石材・埋立材等の調査で九州から四国におよぶ7県19地区の35社に対して調査を実施したことを明らかにするとともに、「ダム堆積土、建設残土、リサイクル材など、供給しきれなくなった場合に検討していきたい」と不足の可能性を追認。有害物質・植物混入の可能性が高い海外からの土砂輸入も否定しませんでした。
 笠井氏は、環境保全の不可能な辺野古「移設」は県民総意に背き、危険な普天間基地は無条件撤去しかないと強調しました。(しんぶん赤旗/2013年6月13日より)

◆審議録(.pdf

辺野古新基地の土砂調達計画の実態

 沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設の埋め立てに向け、防衛省が作成した二件の内部文書を、日本共産党の笠井亮衆院議員が入手しました。
アセス回避
 二件の内部文書は「資材調達調査業務報告書」と「資材調達検討業務報告書」で、沖縄・九州から四国に及ぶ7件19地区の土砂供給業者35社を対象に、出荷実績や予定出荷量を調査し、これら業者の供給可能量などを見積もったものです。 (※参考資料①②)
 これらからは、防衛省が概ね2~3年かかる追加の環境影響評価(アセスメント)による工期の遅れを恐れ、日米間で合意している「全体工期5年」を最優先させる、結論ありきの姿勢で土砂の調達を計画していたことが浮かびあがってきます。
 例えば、外部有識者5人による「検討委員会」の第2回会合(2009年6月)では、土砂調達とアセスとの整合性を懸念する委員に対し、事務局(防衛省)は次のように説明しています。
(※参考資料③)

事務局沖縄での風当たりを考えるとあらゆる造成工事に対し、アセス法違反と言われる恐れがある。購入を行うことで、目的がそこ(アセス)に及ばないと言い続けながらやるしかない。

 同会合の配布資料には「資材(土砂)調達の絶対的条件」の第一として「購入であること」とも掲げられています。環境影響評価法では、防衛省が工事を発注して埋め立て土砂を調達する場合、環境アセスが義務付けられていますが、「購入」の場合は除外されています。
 法の抜け穴を悪用した形です。
至上命令
 こんなやり取りもあります。
委員工期は日米両政府の約束事だから至上命令ではないのか。
事務局そのとおりだ。これ(工期)に責任を持てることが大前提だ。

  このため、土砂が不足する時期があると指摘されているにもかかわらず、工期は一切見直すことなく、「業者の生産能力の向上を図る」などとしています。
 一連の委託業務は、調達の「透明性、公平性」を図ることを目的に、いずれも2009年~2010年に政権交代をはさんで実施されましたが、報告書は公開されていません。
 防衛省は3月、これらの委託成果をもとに沖縄県への埋め立て申請書を提出。県は今月下旬にも申請書の縦覧を開始します。このような手続きのもとに作成された申請書が県民から強い批判を受けることは免れません。(しんぶん赤旗/2013年6月13日より)

◆参考資料

①調査地域(.pdf/調達検討業務報告書より)

②調査地域・内容(.pdf/調達調査業務報告書より)

③第2回審議会議事録(.pdf/調達検討業務報告書より)

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