「米国要求丸のみ迫られる」=笠井議員批判
衆院本会議で17日、米国ホノルルで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)に関する質疑が行われました。日本共産党の笠井亮議員は、交渉参加を表明した環太平洋連携協定(TPP)について、交渉参加をやめるよう野田佳彦首相に求めました。
笠井氏は、首相が反対意見の広がりを無視して、交渉参加表明を行ったことを「断じて容認できない」と抗議し、撤回を要求。そのうえで、首相の参加表明発言の元となった昨年11月の「基本方針」(閣議決定)をとりあげ、同方針はコメなどの「センシティブ(慎重に対応する)品目」に「配慮」するだけとなっており、「守られる保証など何もない」と批判しました。
さらに笠井氏は米国などTPP参加の9カ国で、すべての関税・非関税措置の原則撤廃が大枠合意されており、外務省が「慎重な検討を要する」としている「遺伝子組み換え作物の表示」など21交渉分野でも「検討の余地なく、自由化原則に沿った具体化が進む」と指摘しました。
首相は「守るものは守り抜き、勝ち取るものは勝ち取るべく全力をつくす」と述べるにとどまりました。
笠井氏は、カーク米通商代表部代表が首相のTPP交渉参加表明後すぐに牛肉輸入制限、郵政の保険分野など非関税措置の緩和を求めるなどの動きを増していることをあげ、「関税・非関税措置の全面撤廃を迫り、受け入れなければ参加を認めない。さもなくば“丸のみ”せよ。これほど屈辱的外交はない」と指摘。BSE(牛海綿状脳症)対策での輸入牛制限の緩和、国民皆保険制度を崩壊させる混合診療の解禁などについて、「日本国民の安心・安全を守る立場からきっぱり拒否できるのか」と迫りました。
首相は「個別に対応する」と述べるだけでした。
(しんぶん赤旗/2011年11月18日より)
◆質問全文(PDF/bt_20111118120925.pdf)