日本が朝鮮半島を支配した時期に持ち出した朝鮮王朝の記録「朝鮮王朝儀軌」の返還を目指す韓国の市民団体「朝鮮王朝還収委員会」が13日、都内で返還実現を記念するレセプションを開きました。
「儀軌」を含む朝鮮半島由来の図書1205冊を韓国側に引き渡す「日韓図書協定」が4月28日、衆議院本会議で可決したことを受けてのもの。参議院でも可決されれば、6月までに返還される見通しです。
記念レセプションで同委員会の正念(ジョンニョム)共同代表は「日本が、朝鮮の宝である儀軌の返還を決めたのは、勇気ある決断だ。両国の友好関係がさらに発展する新しい里程標になるでしょう」とあいさつ。日朝協会の渡辺貢会長ら返還のために努力した日韓両国の功労者に感謝の記念品を贈呈しました。
日本の国会議員では、日本共産党の緒方靖夫副委員長(元参院議員)、同・笠井亮、民主党・石毛鍈子、社民党・服部良一の各衆院議員が表彰されました。
日本共産党からは、緒方、笠井両氏のほか、井上哲士、穀田恵二、山下芳生の各議員が出席しました。
「儀軌」は朝鮮王朝の儀式や行事を絵と文章で記録したもので、1922年、朝鮮総督府により、日本に持ち出されました。2006年に韓国で返還運動が始まり、「還収委」が発足。緒方氏らは07年以降、国会質疑で、「儀軌」の問題をとりあげ、返還を求めてきました。
(2011年5月14日(土)「しんぶん赤旗」より)