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【09.04.10】日本負担のグアム隊舎に沖縄以外の兵員も入舎

笠井議員の追及で防衛省が認める

 
 防衛省は十日、在沖縄米海兵隊のグアム「移転」協定に沿って日本側の財政負担でグアムに建設される海兵隊独身用下士官隊舎に、米国本土やハワイなどの海兵隊員も入居する可能性があることを認めました。衆院外務委員会で日本共産党の笠井亮議員に答えたもの。
 「沖縄の負担軽減」を口実に在沖縄米海兵隊八千人のグアム「移転」を取り決めた同協定の趣旨から大きくはずれることになります。
 笠井氏は、「沖縄からの移転が八千人を下回る場合、『下士官』用隊舎に空き家が出る。その場合、ハワイや米本土などよそから来た海兵隊員がそこに入れるのか」と質問。防衛省の高見沢将林防衛政策局長は、海兵隊の展開の一環で隊舎に空きが出た場合、「沖縄にいる人でないと隊舎に行かないということではない」「隊舎に住む人というのは、(沖縄)以外の地域から来ることもある」と答弁しました。
 笠井氏は、先に防衛省が提出した日本側「基本構想」では、隊舎の建設棟数が墨塗りで隠されながら、米海軍が昨年九月に米議会に提出した資料には戸数が明記されている事実を指摘。「米軍が議会に明らかにしている内容を隠すことは国会を愚弄(ぐろう)するものだ」とのべ、最低限の情報も明らかにしないまま採決強行を急ぐ政府・与党を厳しく批判しました。(しんぶん赤旗/2009年4月11日より)
(会議録/bt_20090513134506.pdf

名護V字案新基地に3千500億円以上

政府が始めて明かす
米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わるキャンプ・シュワブ(同県名護市辺野古)沿岸部へのV字形滑走路の新基地建設費について、防衛省の井上源三地方協力局長は十日の衆院外務委員会で、「少なくとも三千五百億円以上」との見通しを明らかにしました。日本共産党の笠井亮議員の質問に答えたもの。
 政府が二〇〇六年五月の在日米軍再編「ロードマップ」に基づく名護の新基地建設費の見積もりを示したのは初めてです。
 一九九六年のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意に基づく旧計画(辺野古沖の埋め立て=計画中止)で、政府は建設費約三千三百億円と説明していましたが、これを上回る金額です。
 米軍再編に伴う日本側負担分の総額について、米側は三兆円近い金額を示しています。
(しんぶん赤旗/2009年4月11日より)

笠井議員が反対討論

 私は日本共産党を代表して、反対討論を行います。
 反対理由の第一は、本協定が、在沖縄米海兵隊のグアム「移転」にともなう司令部庁舎、教場、隊舎、学校関連施設の整備のために、日本が二十八億ドルを上限として財政支出を約束しているからであります。
 米国領土内の基地強化のためと称し、日本が財政支出することは、安保条約さえも超えるものであり、憲法上も認められるものではありません。
 アメリカの領土の基地建設費用を負担することなど、世界でもまったく類例がないものであります。
 そもそも、在沖縄米海兵隊のグアム「移転」計画は、米国みずからの軍事戦略にもとづいて陸軍、海軍、空軍、海兵隊の四軍の部隊をグアムに集め、グアムを戦力投射の拠点にするものであり、このような米軍の計画に日本が財政支援すべきでないことは明らかです。
 第二に、この協定の条件として、沖縄の辺野古沖に海兵隊の最新鋭の基地を建設することがパッケージとされていることであります。
 この計画が実施されれば、辺野古沿岸の海洋環境をはじめ、沖縄の貴重な自然環境を破壊するにとどまらず、周辺地域に新たな騒音被害や基地被害をもたらすことは必至であります。
 沖縄県民は長年、米軍基地が存在するが故の、耐えがたい苦しみを受けつづけています。その米軍基地を強化し、固定化を押しつけることは、基地の苦しみからの解放を求める、県民の願いを真っ向から踏みにじるものであり、絶対に許すことができないものです。
 そもそも沖縄米軍基地は、米占領下で、住民を排除し、銃剣とブルドーザーで奪った土地の上に築いたものであり、ただちに無条件ですべて返還すべきものです。
 日本政府は普天間基地に代わる新基地の建設計画を直ちに中止し、普天間基地の即時無条件・全面返還を米国に要求すべきであります。
 最後に、この間の委員会における審議で重大な問題点が次々と明らかになりました。
 ひとつは、海兵隊の移転費だけでなく、移転後、海兵隊のグアムでの訓練の移動経費や活動経費を負担することや、融資・出資分が回収できない場合のリスクの分担など、この協定の締結は、際限のない日本の負担拡大の入り口になっていくものです。
 二つ目は、八千人削減されるとする削減人員に、まったく根拠がないということであります。
 まだまだありますが、このような新たな問題点が次々と明らかになった以上、この協定を到底容認できないことは明白であります。
(しんぶん赤旗/2009年4月11日より)

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