建築物の構造計算偽造問題での証人喚問(要旨)
証人は、木村盛好・木村建設元社長
篠塚明・木村建設元東京支店長
○ 笠井委員 木村証人に聞く。
県内の建設業ではトップ、売上高が百億円超の企業のあなたの会杜が一転して会杜存続が不可能になったという。姉歯氏にだまされた、告訴するという旨も発言されているが・・。
○ 木村証人 全く青天のへきれき、急に11月の21日の手形が不渡りになって、もう頭にきてわけがわからなかった。腹が立から告訴すると言いましたけれども、弁護士に相談したところ、もうむだだからやめとったらよかろうということで、また相談したいと思う。
○ 笠井委員 告訴しなかった。木村建設側にも告訴できない事情があるのか。社長として、姉歯元建築士とのかかわり、この事情や経過など篠塚元東京支店長に聞いたのか。
○ 木村証人 聞いていない。
○ 笠井委員 これほどの大問題を、支店長に一言も聞いていないとは驚くべきこと。責任重大だ。11月17日国土交通省が調査結果を発表して後、いきなり自己破産の手続きをとった。これで木村建設の責任は取れないじゃないかと被害者は怒り心頭だ。問うZ当座預金が13億、手形は9億ということだが、銀行はなんと言ったか。
○ 木村証人 11月19日の夜に熊本ファミリーの支店長が来て、「もう木村は封鎖する」と。私は、「何言っているんですかと、うちのお金を勝手にできるのか」と言ったら、
「できる」と言う。「何、冗談だろう」と思っているうちに、月曜がきてもう時間で、おしまい。
42年間もつき合ってきたメインバンクがこんなに冷たいことをするのかと思って、気違いになるところでした。こんな非情なことができるのか残念でたまらない。73年間建設一つで生きてのが一瞬にして終わりとは死ぬに死ねない。
○ 笠井委員 責任を取るなら、民事再生法で処理する、銀行にもきちんと主張しなかったのか。
○ 木村一証人 再生しようと私は思っていたが、やつぱりもう、仕事はとれない、仕方ないということで破産した。
○ 笠井委員 篠塚証人に聞く。総研HPでは、篠塚証人と総研役員とが最後に会ったのは03年9月となっているが事実か、その後は会っていないか。
○ 篠塚証人 もう2年半ぐらい前からパイプは細くはなっている。ただ、奈良のホテルを最近までやつており、会っていないとことはない。ただ私たちは会っていない。
○ 笠井委員 04年3月8日開かれた4者会談に、あなたは出席しなかったが、かわりの者が出て総研とも会っている。その後も奈良のホテルの件で今年会っている。細くなっているが続いているということか。
○ 篠塚証人 会杜全体としては、そういうこと。
○ 笠井委員 午前中の姉歯証言では、98年ごろから篠塚証人から鉄骨・鉄筋を減らすように相当強いプレッシャーが繰り返されたと。これは間違いないな。
○ 篠塚証人 98年当時は、姉歯氏とのつき合いはさほど濃くない。そのころは、ほとんどもうそういうことは言っていないと思う。だんだん古くなってきますと、やはり会う機会もあり、案件もふえるので、私が依頼するときは経済的なことは常に言っているつもりだ。
○ 笠井委員 姉歯証人は、あなたとのやりとりで、プランごとに、これ以上できないと繰り返し言ったとしてるが、その事実はあったか。
○ 篠塚証人 私が依頼するとき、会ったときはやはり、とにかく経済的なことは私が言うのが役目ですから、その観点から話はするときある。
○ 笠井委員 もう少し何とかならぬかといっただけか。姉歯証人は、毎回のように、それ以上やらなければ事務所をかえると言われたと証言しているが、それは事実か。
○ 篠塚証人 何回も繰り返しすが、経済的な問題で、事務所をかえるとは姉歯証人以外にも言うことがある。それがプレッシャーになったかどうかはわからない。
○ 笠井委員 事務所をかえるということは、仕事を取るということで圧力だ。プレッシャーでないとは、とんでもないこと。圧力をかけて、これ以上できないことをさせた。暗黙の了解で、法律違反のやり取りをしていたことは濃厚だ。
姉歯事務所以外にも、鉄筋を減らせという要求をしているのか。
○ 篠塚証人 計算事務所に依頼をするときは、できるだけ減らすというのがありますので説明する。
訂正した。事務所をかえるというよりも、事務所があるよということを言うことはある。
○ 笠井委員 姉歯証人は、あなたの減らせという要求を受けて偽装をした。同じ要求をしたほかの会杜が偽装をしていないと証明できるか。
○ 篠塚証人 信じているが、証明というとできない。
○ 笠井委員 あなた方が示した、姉歯とほかの事務所の積算対比表の資料は、どちらも鉄筋量が変わらないと言いたいんでしょうが、この資料は専門家によれば、地盤のかたさ、基礎や建物の形状で鉄筋量は異なるから、この資料は何の証明にもならないと。かえって疑惑を深めるだけだ、このことを申し上げて、質問を終わる。