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【09.01.13】衆院本会議=2次補正案 笠井議員が反対討論

「給付金は選挙対策」 雇用・暮らし不十分

 
 自民、公明両党は十三日、総額二兆円の「定額給付金」を柱とする二〇〇八年度第二次補正予算案と同関連法案の採決を強行し、衆院本会議で賛成多数で可決、参院に送付しました。日本共産党は反対しました。民主、社民両党は採決前に退席。国民新党は欠席しました。
反対討論に立った日本共産党の笠井亮議員は、わずか三日間の質疑での採決は「あまりにも横暴」「断じて許されない」と糾弾。補正予算案に盛り込まれた「定額給付金」は「景気対策としても役立たないことは明らかであり、公金を使った選挙対策だ。しかも二〇一一年度の消費税増税とセットだ」と同給付金の撤回を主張しました。
 また笠井氏は、公的資金を使ってマネーゲームで損失を抱えた金融機関を救済する内容を盛り込んでいることを批判し、雇用と暮らしへの対策は規模も内容も不十分だと指摘しました。
 本会議に先立つ予算委員会では、与党は、衛藤征士郎委員長の職権による補正予算案の採決を前提に、締めくくり質疑に入りました。日本共産党など野党四党の国対委員長は、与党による異常な議会運営を批判し、河野洋平衆院議長に正常な議会運営をするよう申し入れました。
 しかし与党は予算委員会で、野党議員が委員長席に詰め寄るなか採決を強行し、賛成多数で可決しました。
 補正予算案から定額給付金を削除する民主、社民、国民新の三野党の修正案は、与党の反対多数で否決されました。日本共産党は賛成しました。
 この後、与党は、財務金融、総務、国土交通の各委員会でも関連法案の採決を強行し、賛成多数で可決しました。それぞれの委員会で日本共産党は反対討論に立ちました。
笠井議員の反対討論
 日本共産党の笠井亮議員が十三日の衆院本会議で行った二〇〇八年度第二次補正予算案への反対討論は次の通りです。
◆   ◇   ◆   ◇   ◆
 私は、日本共産党を代表して、二〇〇八年度第二次補正予算案に反対の討論を行います。
 そもそも第二次補正予算は、昨年十月に閣議決定した「生活対策」を具体化したものであります。麻生総理は、迅速・スピーディーに実行するといいながら、ついに臨時国会には提出しませんでした。
 年を越して通常国会冒頭に提出するや、わずか三日間の質疑で、すぐ採決せよというのは、あまりにも横暴であります。
 この二カ月余で、雇用の危機はいっそう深刻となっています。定額給付金を含め、審議すべき問題は山積しています。にもかかわらず、本日、与党は、補正予算ならびに関連法案の委員会質疑を打ち切って、採決を強行し、この本会議において、数の力で衆議院の通過を図ろうというのであります。断じて許せません。
 反対理由の第一は、定額給付金です。
 いったい何のための給付金なのか、生活支援なのか、消費刺激なのか、いまだ、その目的ははっきりしません。給付対象も全世帯か、所得制限を設けるのかという基本事項さえ二転三転しております。揚げ句の果てには、実施するかしないかは自治体に丸投げというありさまです。
 経済効果を〇・一から〇・二に水増ししたところで、景気対策としても役立たないことは明らかであり、公金を使った選挙対策と批判されるのは当然です。しかも三年後の消費税増税とセットであります。これでどうして「生活対策」と言えるのか。
 だからこそ、予算審議直後のどの世論調査でも、定額給付金反対は七割、八割にのぼっているのであります。二兆円の財源があれば、雇用や社会保障に使うべきとの声が出るのは当然であります。政府はこの声を受け止め、定額給付金は撤回すべきであります。
 第二の重大な問題は、大銀行・大企業の支援策です。
 マネーゲームに狂奔して損失をかかえた金融機関を、公的資金を使って救済するため、政府保証枠を拡大していますが、銀行が負うべき損失を国民が肩代わりする理由はありません。コマーシャル・ペーパーを買い取るしくみをつくり、政府保証枠を拡大することも、大企業支援策であり認められません。
 また、自衛隊の精密誘導弾の新規導入経費まで盛り込んでいることも看過できません。
 第三に、「生活対策」として盛り込まれた介護労働者の待遇改善、妊婦健診の公費負担の拡充、中小企業の資金繰り対策の拡大などは、かねてからの国民の要求と運動が反映されたもので当然であります。しかし、ますます深刻となる雇用と暮らしへの対策は、規模も内容もきわめて不十分です。
 「年越し派遣村」に集まった非正規労働者の実態は、仕事を失えば同時に住まいも失い、生活そのものが成り立たなくなるというものであります。こうした労働者は全国で急増しており、そのうえ派遣労働者の多くが契約期限切れとなる二〇〇九年問題が現実化すれば、さらに膨れ上がることは明らかです。政府の雇用対策ではまったく足りないのであります。
 大企業がいっせいに大量解雇をすれば日本経済と社会の前途を危うくすることは、総理も認めたとおりであります。いま必要なことは、これ以上の首切りを許さず、約二百四十兆円となる大企業の内部留保も活用して雇用を確保すること、失業者支援のための緊急の対応措置をとることです。そして労働者派遣法を一九九九年以前に戻す抜本改正を行うことであります。
 景気悪化のもとで、経営難、倒産に直面している中小企業への抜本的支援が必要です。
 社会保障費二千二百億円の削減方針を撤回し、後期高齢者医療制度の廃止、消費税の食料品非課税など、国民生活を支える対策こそ強めるべきであります。
 以上、討論を終わります。
(2009年1月14日/しんぶん赤旗より)
1月13日本会議の笠井議員の反対討論の特集記事が1月18日「しんぶん赤旗・日曜版」に掲載されています。(PDF/bt_20090116162257.pdf

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