東京都議団が財政・金融担当大臣に要請
日本共産党東京都議団と笠井亮衆院議員は4日、中川昭一財務・金融担当相に対し、経営破たん状態にある新銀行東京を速やかに処理し、新金融機能強化法案を撤回するよう申し入れました。
吉田信夫都議団幹事長は、東京都が千四百億円の税金を投入した新銀行東京は不良債権が増大し、不正融資も判明しており、処理・処分こそ急がれていると指摘。清水ひで子都議は、「新銀行は中小企業融資をさらに圧縮し、貸しはがしをしている。中小企業支援というのなら制度融資を抜本的に拡充すべきだ」と求めました。
金融庁監督局の担当官は、新金融機能強化法案について「中小企業金融の円滑化が目的」と説明。「個別(銀行)にどう対応するかは答えられない」とする一方、公的資金導入にあたって銀行の経営責任を問わないことに批判があることを認め、「一切、経営責任を問わないというものではない」としました。
申し入れ書は、①新銀行東京の処理・処分を速やかに行う②破たん処理や自己資本棄損への対応は金融機関の自己責任で対応させ、新金融機能強化法案は撤回③中小企業の資金確保のため、銀行に中小企業向けの貸し出し目標を設定させ確実に達成するよう強力に指導し、制度融資を抜本的に拡充して信用保証制度を全額保証に戻す―ことを求めています。
申し入れは吉田、清水、小竹ひろ子、古館和憲各都議、田村智子党都副委員長が参加しました。
(「しんぶん赤旗」11月5日付けより)
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金融担当大臣
中川昭一 殿
2008年11月4日
日本共産党都議会議員団
新銀行東京のすみやかな処理と
新金融機能強化法の撤回を求める申し入れ
政府が、中小企業への融資を円滑にするためといって、今国会に新「金融機能強化法案」を提出しました。同法案は公的資金導入にあたって中小企業への貸出目標もかかげず、経営責任も問わないもので、中小企業への貸出がこれまで以上にないがしろになされる危険のつよいものです。
何より、乱脈融資や金融投機でかかえた損失の穴埋めに、国民の血税を投入することには道理がありません。ましてや、石原慎太郎東京都知事がトップダウンで設立し、これまで1400億円の公的資金を投入したうえ、不正融資が相ついで判明し、中小企業に役立ってない新銀行東京に、さらなる税金投入の道をひらくことは許されません。
乱脈経営や不正を犯して破たんした金融機関はルールにそって退場させるとともに、破たん処理や自己資本棄損への対応は、十分な対応能力をもっている金融機関の自己責任で対応させることが必要です。
よって、以下の点についてつよく要望します。
1.報道によれば、新銀行東京に対する金融庁の検査及び通知において、不良債権に対応する貸倒引当金が不足し追加出資分の棄損のおそれや情報漏洩などの重大問題が指摘されている。新銀行東京が不正にまみれ、再建不可能な事態に陥っていることは明らかであり、新銀行東京の処理・処分をすみやかにおこなうべきである。
2.破たん処理や自己資本棄損への対応は金融機関の自己責任で対応させ、新金融機能強化法案は撤回すること。
3.中小企業の資金確保のため、銀行に中小企業向けの貸し出し目標を設定させ、確実に達成させるよう強力に指導するとともに、制度融資を抜本的に拡充し、信用保証制度を「全額保証」にもどすこと。
以上