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【08.03.17~18】温暖化問題調査団=イギリス国内を視察、下院議員らと懇談

環境・食糧・農村地域省から説明受ける

 
【ロンドン=岡崎衆史】日本共産党の欧州温暖化防止政策調査団(団長・笠井亮衆院議員)は十七日、ロンドン市内でデービッド・チェイター英下院環境監査特別委員会委員(与党・労働党下院議員)と環境・食糧・農村地域省の担当官から、英国の温暖化防止政策について説明を受け、懇談しました。英国側からは、公的協定など温暖化防止の国内対策は実行可能だとし、日本をはじめ各国の取り組み強化を期待する声が出ました。
 チェイター議員は、一九九七年のブレア労働党政権誕生後、英国が温暖化防止を最優先課題とし、現在も二〇一三年以降の温室効果ガス削減の国際的枠組みづくりの努力を強めるとともに、ガス削減を世界で初めて法的に義務化する気候変動法案の成立を目指して議会審議が続いていることを紹介しました。
 同法案については、五〇年までの二酸化炭素(CO2)削減目標を現在の一九九〇年比60%から80%に引き上げる方向が強まっていると発言。目標達成を保証するため「二〇年までに大幅な排出削減が必要だ」とし、法案では26―32%の中期削減目標を掲げていると述べました。
 環境省では、企業のエネルギー使用への課税である気候変動税、政府と企業の間の公的協定(気候変動協定)などについて説明を受けました。
 同省のメーベル・ワノゴ氏は、気候変動税と、排出量規制などの数値目標を定めた協定を政府と結んだ企業に同税の八割を減税する気候変動協定を同時に導入することで、〇六年までに「二十の部門で生産を増大させながらCO2排出を減らした」と述べました。
 また、同省のラシ・パサー氏は「英国の経験は公的協定など温暖化防止の国内対策が実行可能なことを示している」とし、他国の取り組み強化への希望を表明しました。
 笠井氏は、特に中期削減目標の設定と公的協定締結が重要だとし、「主要国首脳会議(G8)開催国として日本が温暖化防止の取り組みで役割と責任を果たすよう働きかけていく」と述べました。(2008年3月19日/しんぶん赤旗より)

イギリス産業連盟(CBI)と意見交換

 
イギリス=政府と産業界が協定を結び温暖化防止
【ロンドン=岡崎衆史】日本共産党の欧州温暖化政策調査団(団長・笠井亮衆院議員)は十八日、英国最大の企業団体・英産業連盟(CBI=二十万企業が加盟)のマシュー・ファロー環境課長とロンドンのCBI本部で懇談しました。日本共産党とCBIとの意見交換は初めてです。
 ファロー氏は、産業界が政府と公的協定を結び、気候変動防止のために温室効果ガス総量削減の絶対目標を達成することが重要だと強調。また、産業分野での温室効果ガス削減は、「ビジネスと進歩のための好機であり、経済成長と排出削減は両立できる」と述べました。
 同氏はさらに、「気候変動問題の解決には産業界の果たす役割が死活的だ」とし、日本の産業界も英国の産業界と同様の指導的役割を果たすよう希望しました。
 また、温室効果ガス削減には、市場活動への一定の規制や、短期的利益でなく長期的利益を考えた経済活動が必要だとの考えを表明。「これは英産業界で共通認識になっており、経費がかかっても実施しなければならない」と述べました。
 笠井氏は、「産業革命の発祥の地・英国で、政府と産業界が協定を結び、消費者と一体になって温暖化防止に積極的に取り組んでいることを大いに注目している」と述べ、日本でも政府と産業界が相応の責任を果たすよう働きかけたいと語りました。
 ファロー氏は、調査団の活動の成果に期待を示しました。
 調査団は続いて、欧州の排出権取引の46%を扱うロンドン排出権取引所(ECX)を訪れ、パトリック・バーレイ社長から、コンピューター画面で取引の実情について説明を受け、意見交換しました。(2008年3月20日/しんぶん赤旗より)

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